Enikki     室町の音楽劇       02/02/10


2月10日(日)

若手の「能楽」を観た。題して 『室町の音楽劇』

会場になった灘菊酒造 (西蔵) 周辺の写真を撮っていると、

出演者のお一人らしい方と、駆けつけたお客様との会話が耳に飛び込んできた。

「今回はマイクを持たされるので・・勝手が違って・・イヤ〜どうなる事やら・・」

なるほど・・そうかそうか・・・・と写真に納めた。

この日の始まりは、どうやらここにあったのかも知れない。



始まってみるとその彼、なんと! 立て板に水のごとく流暢な日本語を・・

いやいや当たり前のことだが、その日本語が品の良い関西なまりでいいリズムを刻んで実に耳に心地よい!

さっきの外での会話はなんだったのか!

今の若者も、なるほど謙遜と言うことを心得ておられたのか。

さすがに伝統文化を身につけられた若者と感心した次第だ。







右は、マイク片手に謡うように話し続ける彼(上田敦史氏)と

一言も喋らない彼(山中雅志氏)。いえ勿論、たくさん謡われましたがね。

一見、決して口は開かないぞと言う表情にも見える氏でしたが、それは素晴らしい謡曲と仕舞を披露されました。


 [ 一調 ] 屋島  謡:山中雅志  小鼓:上田敦史



マイクは手渡され、これ又若手のしっかりとしたお話に感心しながら説明を聞く。

結局のところ、発声の基本がしっかり出来ているから

言葉が流れない、芯のある声での話し言葉に自信と説得力がある、耳に心地よい、話にテンポがある。

・・・・と、つまりは話し言葉に聞き惚れ興味を持って聞いていた。

「平成の音楽劇」を夢見ている私としては・・・・

私は、能楽は素人で何も分からないのでとやかくはない。





わかりやすく場面の解説があった。



仮想の舞台を設定しての解説・・・   うんうんなるほど・・・・


[ 仕舞 ]  羅生門  舞: 江崎敬三


今回は能楽舞台での大人数ではなく、「分解した形での演奏」と、わかりやすい説明がされた。

その分解された一楽器のソロを独調と言う。

大鼓の音と彼の囃しの声が会場に響き渡る。その動に対して彼は無念無想の構えにも見える。





[ 仕舞 ]  玉之段  舞: 山中雅志

[ 独吟 ]  勧進帳   謡: 山中雅志

[ 独調 ]  船弁慶   謡: 江崎敬三  太鼓: 上田慎也




[ 型 ] 祈り(能 「安達原」より) 鬼女: 山中雅志  山伏: 江崎金治郎(父)

最後の全員の舞台は息を呑む素晴らしさだった。

今日初心者の方も多かったと思うが、皆さんも本物の謡楽舞台をきっと見てみたいとお思われたに違いないだろう。







余談になるが・・・私の今日の絵日記には、記すべき事がもう一つある。



この写真の中に江崎敬三氏のお母様がおられる。

実は私の高校の同級生なのだ。

幸いかどうかピンぼけになってしまったが、勘のいい貴方ならお分かりになるかも知れない。

敬三君とは小さい頃会ったきりだからほとんど覚えていないのだが、

あまりお母様に似ておられるので私は思わず微笑んでしまった。

拙宅の長男と同い年の、やはり長男である。

今日出演された若手4人は、第二次ベビーブームのほとんど同じ年代。

方や、我が息子は東京で時代の最先端の技術を駆使して働いているらしいが

方や、伝統文化を守る若手として期待を受け頑張っておられる。

時代が必要としている両極端と言えるかもしれない。


今日の試みに新しい波を感じ、陰ながら彼らを応援したい気持ちに駆られた。



次の時代をになう若者達に乾杯!






呼び込みに誘われて・・・・お土産を買って帰途についた。


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