少年と鯉のぼり お話は、事実とは関係のないフィクションです。記録のために撮った写真から、絵本が出来ました。 03/04/07 |
男の子は あの鯉のぼりの 中に入って 空を 泳いで見たいなあと 思いました 広い空を泳げたら 気持ちいいだろうなあ と思いました |
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でもみんな いそがしそうだったので 言えませんでした それで 「僕にあげさせて」 とだけ頼みました。 あげてみるだけでも きっと気持ちいいに 違いないと思いました |
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グイっと引っぱると ふわっと からだが軽くなって いっしょに 空に のぼっていきそうです |
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グイッ |
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グイッ |
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次から次に 鯉のぼりは あがりました。 全部で 10本あがりました |
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男の子は たくさん お手伝いをしたので 「僕は 鯉のぼりの中に はいりたいです」と たのもうと 思っていました 勇気を出して 言おうとした そのときです |
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どこからともなく 男の子を 呼ぶ声がしました 男の子は とつぜん くるっと向きを 変えたかと思うと 今きた道を まっしぐらに走り出しました もう 鯉のぼりには 目もくれずに それっきり 男の子は もどって来ませんでした |
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男の子は 今日の夢を 心の中にしまったまま 大きくなるのでしょうか それとも 夢のように これっきり 忘れてしまうのでしょうか |
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