short shot musical      2001. 4. 15  あすかホール  

Challenge one live          by  JBディレッタント

            本番スケッチ      @ 13時開演  A 15時開演

 

一回目

12時半よりお客様のご案内を始める。

いつもなら中ホール入り口を入ると、四角いホール正面に舞台があるのだが、

今回は、壁で仕切られた迷路の様な壁に沿って進んで頂く。

ご案内係りは、お客様を丁寧に客席に導く。

非日常の世界への入り口だ。

 

お客様にとって

初めて体感するこの異空間から演出はもう始まっている。

静かで、薄明るい通路に置かれた植木鉢の可憐な草花達は

丁度今日の私達のように、その小さな花弁を精一杯キラキラ輝かせ

今が盛りと文字通り花を添えてくれた。

プロローグロードを突き当たると左手側、

ドアはなく会場が一気に目の前に開ける。

 

そこは、本来のせり上がり舞台を階段式の客席に設えた。

客席100席。幅10メートル、奥行き10メートルの小さい劇場だ。

 

 

開演3分前、

アナウンスはなく、会場係4人は

さりげなく、傍のお客様に携帯電話の確認の声を掛ける。

これも小さな舞台では、それなりの合図になる。

午後1時

客電が、静かにフェードアウト。

ベルも案内もなく、お客様を生の舞台へお誘いしようというのだ。

舞台も客席も全て暗くなる。

舞台前脇の椅子の上に、プログラムと書いたスケッチブックだけがライトアップされる。

黒子役が出し物の雰囲気に合った布でディスプレイしながら

1番目のプログラムをセットする。

 

ア・カペラ

 

暗転のまま無伴奏で先ず一人が

夢の中から呼び掛けるように、小さな声で「ちょうちょ」を歌い始める。

一人、又一人と斉唱で声を重ね、最後6人のコーラスになった時には

舞台の明かりは、徐々に明るくなっているというオープニングだ。

 

夢の中から目覚めると辺りは朝の光に包まれ

「ちょうちょ」は優しい母のぬくもりの女性3部のハーモニーで。

最後に、一時もじっとしていない乱舞するちょうちょの姿を歌う

3つのバージョンの構成だ。

 

 

とまあ、こういうスタートを切る訳です。

途中一切、アナウンスはありません。

お客様を、なるべく最後迄、非日常の世界にどっぷりと浸っていただくために・・・

 

プログラム転換は

暗転になれば、脇の椅子に立てかけてあるスケッチブックがライトアップされ

黒子が、布を掛け替えながらスケッチブックをめっくっていきます。

現実に戻さない様に丁寧に。

この時間は、少し緊張から解放される時間でもあり

次のだし物を受け入れて頂く為のタイムスペースになります。

 

それでは、

お後の画像の準備も・・・・ そろそろ・・・・ 宜しいようで・・・

まずは全プログラムに目をお通し下さい。

どうぞごゆっくりおくつろぎ下さいませ。

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

ちょうちょ・言葉のはてな・烏かねもん勘三郎

 

 

 

  
アカペラ

 「ことばのはてな」、 おそれ多くも谷川俊太郎さんの「ことば遊び歌」の中から「かっぱ」「やんま」「うとてとこ」「き」 に、メロディーを付けました。それが西山さんのアカペラアレンジで、思わぬ素敵な曲になりました。他にオープニングの「ちょうちょ」 最後は 「烏かねもん勘三郎」
 アカペラの難しさは、何も頼る楽器がない中で、お互いが音程をあわせ、声を聞き合い、響き合うことの難しさでしょう。声の質の違う6人が声と心を合わせて歌います。

 

 

 

 
 

  

 

 

 

 

 

 

 

  
ショートショットパフォーマンス 

「インディアンからの手紙」は、他にも 「どうやって空気を売るのか」 「父は空 母は大地」などすでにいくつか翻訳されています。新しいバージョンですが、その精神を受け継ぎ、より洗練された内容になっているようです。

 此処では、パフォーマンスとして、「未来に生きるすべての姉妹達へ」と題して、インディアンの演説の原型をモチーフに、その想いを受け継いだ子孫が語りかける設定です。何者にも動じないゆるぎない信念の持ち主達の、自然の一部として生きる偉大な愛に包まれた人間としての大きさ、優しさ、が伝われば幸いです。

 「あらゆる物はつながっている。私達がこの命の織物を織ったのではない。私達はその中の一本の糸に過ぎないのだ。
生まれたばかりの赤んぼうが母親の胸の鼓動を慕うように、私達はこの大地を慕っている・・・  どうか白い人よ美しい大地の思い出を受け取った時のままの姿で心に刻み付けて置いて欲しい  何時までも  どうか いつまでも・・・ 」

 

  

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショートショットミュジカル

椅子に腰掛け日向ぼっこでもしているのでしょうか。「なんとまあ」。の始まりです。3人の内の一人が静かに話し始めます。それはお皿を洗わなかった一人暮らしのおじさんのお話です。優しいメロディーが、一気に楽しく盛り上がったとき三人はお話の主人公になりきり、舞台狭しと歌って踊って語ります。「なんとまあ、そこでまあ」は軽快なリズムで2パターン歌います。

 疲れて帰ったある日、お皿を洗わなかったばっかりに、次の日も又次の日もお皿は洗えなくなってしまいます。とうとう机から床からベットまでお皿で一杯になり、座ることも寝ることも出来なくなりました。食器はなくなり灰皿やお鍋や植木鉢まで使い切ってしまいます。なんとまあ!「どうしていいのやら」は、悲嘆にくれる前半から一気に動へと変わる動きも面白い曲です。

 ある雨の日、良いことを思いつきます。ガレージからトラックを出して家の前に止めます。そして、トラックに汚れたお皿や灰皿ををみんな積み込んで雨の中に運転して行きます。雨がすっかり洗ってくれたのです。なんとまあ! 「綺麗になりました」は、ワルツで、幸せたっぷり愛情たっぷり歌いあげます。そして又それぞれ元の場所に戻すと、3人はもう疲れ果て、元の椅子に腰を下ろします。
 
 又、初めの優しい曲に戻り、3人は元のようにゆったりと語り始めます。
3人の内の一人のお話も、そろそろ終わりに近いようです。
 やっといい気持ちでベットに休むことが出来たおじさんが、「おやすみ・・・」と言いながら電気スタンドを消す仕草で、舞台は暗転になりお話は・・・・終わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 
フリーオペラ
 
自由な形でオペラを聴いて頂こうと言う、歌い手にとっても挑戦です。オペラファンのオッぺラファンと名乗る少女は、先ほのインディアンの少女の再登場。彼女が、これから歌われるオペラのご紹介を致します。

 伯爵家に仕えるフィガロは伯爵夫人の召使いスザンナとの結婚を控えています。ところが面白くないのは、密かにフィガロに想いを寄せる女中頭のマルチェリーナ。浅ましい女の浅知恵で、一芝居打つのですが・・・結局スザンナに見破られて、皮肉たっぷり、嫌みたっぷり壮絶なバトルと化します。そこで登場する二人は、何やら険悪な雰囲気。「これは失礼しました。」 ピアノのゴングに誘われて罵り合いのバトルの開始です。皮肉たっぷりな表情に彼女たちも、お客様もご満悦だったようです。

 次に登場するのは、先ほどのスザンナとその主人である伯爵夫人。実は伯爵がスザンナに言い寄ろうとするのを見抜いた婦人は、スザンナに手紙を書かせて伯爵をおびき出し、一泡ふかそうと策を練ります。「手紙の二重唱」手紙を書く二人の想いを歌います。

他に「すてきなな春に」 「ああ、いとしいお父様」

                                 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 



ショートショットミュージカル
 
皆さんおなじみの新美南吉の「ごんぎつね」です。
 この舞台では、「栗と松茸」と題して、歌を3曲盛り込みました。ごんのいたずらっぷりを歌う「いたずらしほうだい」、ひとりぼっちのごんが、平十の寂しさに触れて歌う「彼岸花」。そして平十の喜ぶ顔が見たくて、いそいそと山で穫れたものを運ぶ様子を歌う「栗と松茸」です。
 ごんは、平十に撃たれた後も、平十さんの喜ぶ顔が見たい、その一心で切れ切れに歌います。そこに苦しさはなく、平十さんを喜ばしたい想いだけが、銃口からひとすじ上がる煙のように、残りました。 ごんの全てが、このクライマックスに象徴される所から、栗と松茸を表に出した次第です。

 撃たれた後 時間が止まってしまったかのような時空の中で、静かにエンディングに向かいます。

さて、このエンディングが私達の公演のエンディングでもあります。普通ならカーテンコールがあるか、誰か出て行ってご挨拶をするか、アナウンスでもあれば良いのでしょうが・・・・。非日常の異空間をゆったり味わっていただき、いい気持ちのまま帰っていただきたい。とそう思ったわけです。それぞれのご挨拶は終わっておりますし、客電のフェードインで、客席が明るくなって全て終了の合図としました。例によって会場係さんにもさりげない雰囲気づくりをお願いをして・・・。
 この終わり方にも、賛否両論あった訳ですが、初めての試みと、沢山の贅沢なわがまま、こだわりをどうかお許し頂きたいと思います。

最後までお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。
これからも私達は、型にとらわれない自由なこだわりと、新鮮さ、心から響き合えるメッセージを目標に、挑戦し続けて行きたいと思っています。
信じる道を求める幸せが独りよがりでなく、多くの出会いと新たな挑戦に歓喜できる幸せに続きます事を心から願っています。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

01221jbd3.gif (796 バイト)

 

 

 

 

 

 

 

ありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
最後に

  最後になりましたが、あすかホールのスタッフの皆様、応援して下さった皆様には、私達一同、心からの感謝の気持ちで一杯です。この写真は当日関わったスタッフ、出演者の全員ですが、この他本番以外でも応援して下さった多くの皆様の支えがなくては、到底本番は迎えられませんでした。出演者数より支えてくださった方の方が多いとは、私達はとんだ幸せ者です。こんな素敵な仲間がいて下さったから、私達は安心してこの日を迎える事が出来ました。又、これからもお世話になることと思います。どうかこれに懲りずに宜しくお願い致します。

 

 

 

 

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