Enikki 三井正栄コンサートナレーション台本 01/11/21 |
|
第2ステージ
ナレーション台本
このステージでは、オペラのアリアをお楽しみ頂きます。
はじめに、プッチーニ作曲オペラ 「トゥーランドット」より2曲 お聞き下さい。
<あらすじ>
伝説時代の中国の北京。
自分に求婚する物に謎を掛け、
解けなければ首をはねるという中国の皇女トゥーランドット姫。
その美しさに魂を奪われた王子カラフはその謎に挑戦します。
離散していた王子カラフと父ティムールはこの北京で再開。
密かに王子カラフに心を寄せる父の召使いリューは涙ながらに訴えます。
ご主人様お聞きください。
リューはもう耐えられません。胸が張り裂けそうです!
この長い道のりを来られましたのも、貴方様のお名を思えばこそ、
あなたさまのお名を口に上らせたならこそ
もし、明日にあなた様の運命が決まってしまうような事なら
私達は放浪の道すがら果てるでしょう。
ご老人は息子様を失い・・・私は希望の微笑みを失います。
リューはもう耐えられません! ああ、おとどまりください!
リューは唄います <王子様、お聞き下さい>
♪
次にお聞きいただきますアリアは <氷のような姫君の心も>
召使いリュウは王子にとって自分の存在が不利にならない為に
彼女はトゥーランドット姫にこの短い言葉を投げつけるやいなや
兵士の短刀を取り自らの命を絶ちます。
氷におおわれたあなた様、 でもあなた様も 熱い炎に負け
あの方を愛されるでしょう。 あなた様もきっとあの方を・・・
この夜明け前に 疲れた私は目を閉じます。
なぜならあの方に勝って頂くために。 もう一度あの方に勝っていただく為に。
そして、あの方をもう二度と見ないために。
この夜明け前に 疲れた私は目を閉じます。きっぱり。
再びあの方を見ないために!
♪
次にお聞きいただきますアリアも
プッチーニの作曲によりますオペラ「ラ・ボエーム」より2曲です。
<あらすじ>
屋根裏部屋にすむ詩人・画家達4人のボヘミアン、
つまりその日その日を自由に送っている芸術家の卵達と
ミミ、ムゼッタという二人の娘との愛と悲しみの物語です。
ローソクの火をもらいに来たミミが鍵を落としそれを探す詩人ロドルフォが、
灯りが消えた暗闇の中でミミの手に触れ、<冷たい手を>と歌い自分の身の上を語ります。
若い娘ミミは、恥じらいながら自分の事を語りはじめます。
ええ、人は私のことをミミと呼ぶわ。
でも本当はルチアなの・・・話す事なんて・・・
ちょっぴり・・刺繍をしているだけなの・・・リネンや絹に お家か外で
気晴らしはバラやユリの造花つくり。
好きな物といったら・・・
心を奪うような力があって・・・
恋や春について語ったり、夢や幻について語ったり
「詩」と呼ばれているものなの・・・
貴方には・・おわかりになるわね?
ミミと呼ばれていますが、なぜだか良く知りません。
一人で自分の暮らしを立てています。
ミサには行かないけれど、お祈りはよくします。
たった一人で生きています。
あちらの白い小さな部屋で屋根から空眺めています。
雪どけの季節がやってくると、初めてやってくる陽の光は私の物なの
4月の太陽の初めての口づけも私のもの、
優しい陽の光もわたしの物・・・
鉢植えのバラが目をふけば、その若葉を一枚ずつ見るのです。
花の香りはなんて優しいんでしょう。
でも私の作るバラにはないわ・・・・・匂いが・・・。
他に話すことと言ったら、隣に住んで、しかもこんな時間に、ご迷惑をおかけしに来た娘とでも・・・。
それでは、<私の名はミミ> お聞き下さい。
♪
ロドルフォとの別れを決意し、限りない哀愁をこめてミミは唄います。
貴方の愛の呼び声を聞いて、幸せを感じて出てきたのですが、
ミミは又元のねぐらに戻ります。
もう一度、見せかけの花を作るために。
さようなら、恨みっこなしに。
でも聞いて、聞いて頂戴。
あちこちに残してきた少しばかりの物を集めて頂きたいのです。
私の引き出しの中に金の腕輪がありますの、
それにお祈りの本も
全部一緒にエプロンに包んで下さい。
そうしたら門番を取りによこさせますから。
そう・・・枕の下にバラ色の帽子があります。
もし宜しかったら、
恋の想い出に取って置いて下さい。
さようなら さようなら!
では、<さよなら貴方の愛の呼ぶ声に> お聞き下さい。
♪
命を助けられた鶴の化身である女房つうと気のいい若者与ひょうの物語。
団伊玖磨 作曲 木下順二原作によります
オペラ「夕鶴」からつうのアリアをお楽しみ頂きましょう。
はじめに<私の大事な与ひょう>そして<与ひょう体を大事にしてね>の2曲です。
つうは、今日も子供達とわらべ歌を歌いながら遊んでいますが、
近頃の与ひょうの変わり様に心は沈みます。
与ひょう 「あ、つう、どこさ行ってた?
エヘヘ、つうが戻ってきて汁が冷えとってかわいそうだけに火に掛けといてやった。」
つう 「おお、ありがとうよ。ご飯の支度をしてあげような。」
惣ど 「あれか?あの女が与ひょうの女房か?」
運ず 「いつ何処からともなく来よったが、お陰で与ひょうは懐ろ手で大金儲けだ。」
惣ど 「ふうん、その布をあの女房が織るちゅうだな?
鶴の千羽織 ちゅうただな?」
子供達 「あ、おばさんおったぞ。おばさん遊ぼう。どうして逃げた?
おばさん唄おう。よう、よう、おばさんよう。」
♪
つう 「永く待たしてご免ね。さあ、布が織れたよ。ほらね。」
与ひょう 「おお、布が織れたか。こらーー立派だ。こら美しい。
おお、二枚、二枚あるでねえけ。」
つう 「そう・・二枚・・・だから今までかかったの、都に行っておいでね。」
与ひょう 「都さ行くだ つうも行こう」
つう 「あんた、・・とうとう見てしまったのね・・・。
あれほど頼んでおいたのに・・・」
♪
有り難うございました・・・。