9月6日 我が家のすぐ裏から鎮守の森を
Enikki    休日夜間救急センターU    01/09/10

「休日夜間救急センター」 からお読み下さい。


ないない、どこにも見あたらない。    いや私には見えない.


 眼球はつまり球であって、瞳に合ったカーブを持ったコンタクトだから瞳の上に納まっているのだろう。

それに円の持つ表面張力が作用して、瞬きをしてもそこに納まっているのだろうから

円ではなくなった今、どこへいっても勝手でしょと言われれば

私はどうしようもなく、そんなこと言わないでと

懇願するしか今はすべがない。


あーー 糸の切れた凧よ!

この小さな小宇宙のどこに行こうと言うのか。



右を見る事で、隠れているかも知れない左端の眼球を見ようとする。

見えるはずがない。その見えるはずのないことを必死で何度もやってみる。

上に、 下に、 右に、 左に、     ・・・・上に下に右に左に




自分で出来る限界に、とうとう助けを呼ぶ覚悟をした。

家の中には、あの自転車泥棒のお兄ちゃんが居た。

今日は11時に友達と待ち合わせて遊びに行くと言っていた。

慌てて二階から下りて来てくれたのは良いが

事情を話して目を見てもらっていると、いきなり

「ウゲーー  ウゲー」 と言いはじめた。    ・・・・ナニ?

聞くと、えぐいものには弱いと、のたまう。

「これがえぐいのか?  あかんたれめ!」 とは言わなかったが

大息吐息で「オゲー  オゲー」顔の前で言われるのも

何とも、申し訳ないと言うか、かわいそうと言うか・・・・

断っても断っても挑戦しようとする。



そこで私は代案を申し出た。

パソコンで対処法を兎に角調べてきてくれるように頼んだ。

暫く一人で探していたが、確かに20回も30回も「塩ひとつまみ」された目は

さすがに充血していた。 二階の様子を見に行くとお兄ちゃんは

「ウゲーウゲー」と言いながら眼科のページの、えぐい写真をスクロールしていた。

二人で色々探したが結局それらしいものはなかった。

もしもの時、たとえば破片で傷が付くとか、地球の裏側に行ってしまうとかを考えると怖かった。


ここはお医者様のお世話になった方が良かろうと話は決まったが・・・今日は日曜日。 はて・・・・・

調べてみると、眼科がある姫路の救急センターまで行くしかなかった。

時計は、もう10時20分を差していた。一時間以上過ぎている。

お兄ちゃんは気持ちよく、友達との約束を1時間遅らせてくれて、

とうとう救急センターへ



診察室にはいると、私は予期せぬ目の前の映像に「あっ!」 と声を上げ一瞬固まった。

私がぼやいていたあの薄いコンタクトレンズを提供してもらった太子町の先生だった。



私の言った独り言が聞こえたか・・・と息を呑んだ。

いやいや、そんな訳はない。


先生は多くを語らず、優しかった。

鋭角な蛇行線を持ったソフトレンズは上瞼をひんむいた所に隠れておらっしゃった。

あれだけ「塩ひとつまみ」を素手でやったにもかかわらず

傷もなく、レンズの細かい破片もなかった。


やっと一安心。


お兄ちゃんには、迷惑をかけてしまった。

それに「ふれあいサロン」は、又しても行けないまま無駄に時間が過ぎてしまった。

そして、

たとえ土曜日の夜少しであろうと、一度使ったone day レンズを

一晩おいて明くる日使うような真似はしない事を、お兄ちゃんと約束した。




誠にもってご免なさい。

ハイ、みんな私が悪いのです。 ハイ。・・・・




おしまい




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